tkmiumのブログ

tkmium-note

プログラミング中に気づいたことや日々の記録を書いていきます。情報関係基礎の解説記事等も作成します。

法律学の講義で秀をもらったレポート「冤罪事件について」

ファイル整理をしていたら、法律学の講義でいい点数をもらったレポートが出てきました。

 

これは、2年くらい前に提出したレポートですが、「冤罪事件に関するビデオをみて、それに関するレポートを書いて提出しなさい」といった課題だった気がします。最終提出のレポートで点数が決まる講義でした。

 

他の題材もあったのですが、冤罪事件の動画を一番最後にみたので選択しました。

 

 

本文

 日本一番多い冤罪事件は電車やバスなどの公共機関での痴漢冤罪であろう。私は中学・高校と家から離れたところに通っていたため、電車通学をしていた。幸い(?)田舎であったため、満員電車を初めて経験したのは修学旅行で東京に行った時だった。電車で椅子に座れないという状況と狭い空間に人がたくさん詰め込まれているという状況に驚愕したのとともに、父が「満員電車には両手を上にあげて乗る」と言っていた意味を理解した。想像したらなかなかシュールな状況であるし、財布を取られたりするリスクはどうするのだろうと思ったりするが、あの空間であれば女性に顔を見られることなく触れることは容易であるため、『私は両手を上にあげていたので痴漢は出来るわけがない』ということを示す父なりの最善策だったのだろう。

 もし痴漢冤罪で捕まった場合、私は裁判まで持ち込んでも勝てる気がしない。大抵の人がそうするように、示談で済ませようとするだろう。少し調べて見たところ、痴漢事件の示談金として支払われるお金は10万円~50万円くらいが多いようである。実際は何もしていないのに、そんな大金を支払わされるのは普通に考えれば納得いかないことではあるが、痴漢事件の容疑者として警察に拘留され、社会的立場が危うくなることを考えると10万円~50万円という金額は安いものかもしれないと考えてしまう。YAHOO!ニュースによれば、電車内での強制わいせつの認知件数は340件、痴漢行為の検挙件数は3880件となっているが、実際には表沙汰になっていないものはこれの10倍ほどあると書いてあった。このうちどれだけが冤罪事件なのであろうか。

 冤罪をどうやって無くすかを考える前に、電車やバスなどで痴漢をしてしまう人々が多数存在するという現実をどうにかしなくてはならないと私は思う。電車やバス内で痴漢行為に走ることは、特殊な性癖が原因であると私は思うが、この特殊な性癖の生みの親かつ人々にそう言った行為をする決意をさせるものとして、痴漢を題材としたアダルトビデオやコミックが世にたくさん出回っていることが挙げられるのではないだろうか。ああいった痴漢ものをどのようにして撮影しているのか(実際の公共機関を使っているのかそれともそういったセットがあるのか)は気になるところであるが、視聴者がそれを見ることによって「自分にもできるかも」と思ってしまっているのかもしれない。授業でも、電車内痴漢がここまで多いのは日本くらいとあったが、アダルトビデオといったある種憧れの世界を再現できてしまう環境があるというのが問題であるのではないだろうか。

 実際に被害に遭われた女性も多いのもまた事実である。電車(バス)内冤罪と、さらには痴漢そのものを無くすために私は近年増えてきている女性専用車両を増やしていくべきであると考える。特に都心部の通勤ラッシュの時間帯に女性専用車両を設けることで、痴漢事件が激減するかもしれない。・・・しかし、女性専用車両の設置にもそれなりの問題がある。現にインターネットで検索をしてみると「女性専用車両に反対する会」という団体まで存在するようである。女性専用車両に反対する意見の大多数は「男女差別だ」という意見である。2005年ごろからJRは都心部を中心に女性専用車両を導入しているようであるが、残念ながら私は今まで一度も実際に見たことはない。しかし、写真や動画で見る限り、1車両のみ派手にピンクに彩られ、女性のみが乗り込めるというのは確かに男性目線で見ればあまり心地の良いものでないことは確かである。

 授業で「大衆浴場の使い方が汚かった」という理由から外国人お断りにしたところ訴えられ、裁判で負けたという話があった。まあ当然といえば当然であるが、これは電車にも適用されないだろうか。電車内のマナーが悪い外国人の方がいたからといって外国人お断りor外国人専用車両というものを作れば当然非難の嵐かつ裁判を起こされれば負けるだろう。なぜ女性専用車両を設けるのは社会的に許されるのだろうか。ここに反対意見を持つ方が多いのも頷ける。そもそも、男性=痴漢をするというイメージのイコール関係が結ばれていることに疑問を持たざるを得ない。確かに痴漢被害において大多数が加害者は男性、被害者は女性であることに間違いはないが、痴漢行為をする男性というのはほんの一握りである。それにもかかわらず、男性は痴漢を行うものだとひとくくりにされ、女性のみが丁重に扱われ、男女の線引きが行われる。本来線引きされる必要があるのは、痴漢をする側と痴漢をしない側の間である。もし痴漢被害を減らすという目標を掲げて女性専用車両を設けるのであれば、トイレのように男性専用車両も設けるべきであろう。さらに、バリアフリーに気を使った車両もあるとなお良い。しかし、費用などの観点から考えると現実的ではないように思える。

 次に女性専用車両の効果についてだが、痴漢検挙数を見てみると、JR中央線で導入前(2004年)の188件に対し、導入後(2005年)は217件。JR京王線で導入前(2004年)の121件に対し導入後(2005年)は146件と両方とも増えているという結果がある。この結果を提示し意味がないと述べているサイトも見かけたが、それはあまりにも軽率である。痴漢の検挙件数といっても、上で述べたように実際に警察に報告されていない事件は10倍ほど存在すると言われ、この数字は被害にあった女性が勇気を出した結果でもあると言えるだろう。しかし、こういった痴漢被害を受ける確率は当然ながら女性専用車両に乗ると限りなく0に等しくなる。もしかしたら、同じ電車でも一般車両に乗った場合に被害にあっていた「かもしれない」女性が女性専用車両に乗ったがためにそのリスクを回避できる可能性がある。そのため、あまり数字にとらわれることなくそういったリスクを減らすといった目的のために女性専用車両をもっと増やしてもいいのではないだろうか。痴漢を減らすといった目的のためではなく、女性を守るといった目的で設けてもらいたい。また、女性専用車両が設けわれている場合、男性側にも冤罪被害を減らすことができるといった利点がある。そもそも女性がその車両にいなければ痴漢冤罪なんてものは起こり得ないのである。どうせならやはり男性専用車両も一緒に設けて男性もリスクを回避できる状況を作ってもらいたいものである。

 

 冤罪事件について調べていたところ、福岡県でも冤罪事件かもしれないという事件が存在していた。1992年2月20日に発生した「飯塚事件」は、登校中の当時7歳の小学1年生の2人の女児が行方不明となり、翌日朝倉市(当時甘木市)の山中で遺体となって発見されたというものであった。犯人として逮捕された久間三千年元死刑囚は一貫して容疑を否認し、66日に及ぶ取り調べでも自白をしなかったという。福岡県警が公判のために備え積み上げた主な証拠は・事件当日に遺留品発見現場近くで元死刑囚の車と似た車両の目撃証言・元死刑囚の車の中から女児の一人と同じ血液型の血痕検出・女児の着衣から車の座席とほぼ同一の繊維片検出・遺体などから採取した犯人のものとされる血液と元死刑囚の毛髪のDNA型一致などである。1審の福岡地裁判決は犯人が一人ならDNA型は一致するが、単独犯との前提が証明されておらず証明力は弱いとしたものの証拠を総合評価すれば合理的疑いを超えて犯人と認定できるとして死刑を言い渡した。2審の福岡高裁1審判決を支持し、18年に最高裁が上告を棄却して確定した。

 この飯塚事件の実況証拠の中で最も有力とされたのがDNA鑑定の結果である。この鑑定はMCT118型と呼ばれるもので、これは1990年に起きた足利事件にも採用されたDNA鑑定である。足利事件の鑑定資料は1人分の体液だったが、飯塚事件は複数人の体液が混ざり、当時の技術水準では鑑定がより困難だったとされ、そのため後に「東の足利、西の飯塚」と呼ばれ鑑定の信用性に疑いが生じ、冤罪の可能性が指摘された。飯塚事件の元死刑囚は判決確定から執行までの期間が大体4、5年くらいなのに対しわずか2年余りと異例の速さであったこともこの事件の怪しさを増大させている。死刑執行後に再審請求が行われ、DNA検定のネガフィルムが警察に有利な部分のみが切り取られていたなどの指摘がされたが、現場で採取された資料は残っておらず、再鑑定できなかった。

 

 事件があると何かと科捜研の鑑定というのが出てくる。確かに最近は鑑定方法も改良されより正確に判定できるようになってきたのかもしれないが、つい最近も(真実は闇の中だが)歌手のASKAさんが尿検査でお茶を提出したのに覚せい剤反応が出たという結果を科捜研は提出した。ドラマになったりするような、警察の大きな機関であるのにお茶と尿も判別できないのか。ASKAさんの一件で私の中の警察という、日本の国家を守る組織へのある種の尊敬のようなものが揺らいでしまった。表向きは疑わしきは罰せずと言いながら、日本では逮捕された時点でもう世間からは犯人として扱われてしまう。また、現在の捜査体制、方法だけでなく、メディアのあり方にも疑問を持たざるを得ない。

 刑事事件での冤罪を無くす方法についてだが、まずは検察が収集した証拠を全て提示させることを義務化させるべきだと私は思う。授業でも取り扱った松山事件に代表されるように、検察側に不利な証拠は提出しないなど本来あってはいけないはずである。また、「自白」が重要視されているこの状況も変えなければならないと思う。取り調べを受けている人が本当にその事件を起こしたのか起こしていないのか。事情聴取等取り調べは確かに重要であるが、それが圧迫的であってはならないはずである。さすがに一昔前ほどひどい取り調べを受けることはないと思うが、冤罪であるのに無理やり罪を作られるなどあってはいけない。

 冤罪のビデオ内で「明日は我が身と思ってほしい」と言われていたのが非常に記憶に残っている。全く身に覚えのない罪を着せられるというのがどれほど恐ろしいものであるか想像もできない。痴漢冤罪で、示談で済むならまだいい方な気がしてしまう。何か冤罪事件に巻き込まれた時は、迷わず弁護士など専門家に指示を仰ごうと思う。

(4126字)

 

参考文献(2017/1/16参照)

  1. YAHOO!ニュース「電車内での強制わいせつが年間340件起こっている日本」,

    bylines.news.yahoo.co.jp

  2. シェアしたくなる法律相談所「虚偽の強姦証言で懲役12年・・・」,

    lmedia.jp

  3. 女性専用車両に反対する会,

    女性専用車両に反対する会

  4. Wikipedia飯塚事件」,

    飯塚事件 - Wikipedia

  5. マガジン9「死刑が執行された後に冤罪と判明する、なんてことが…「飯塚事件」の現在地」,

    www.magazine9.jp