tkmiumのブログ

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プログラミング中に気づいたことや日々の記録を書いていきます。情報関係基礎の解説記事等も作成します。

高大接続・大学入試改革を進めていくならまず教員採用試験を変えよ

こんにちは。マツシマです。

今回はずっと疑問に思っていることを書いていこうと思います。

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はじめに

私はこの度採用試験で合格を頂き、来年度から高校の教員として教壇に立つ予定です。

 

教員採用試験の対策をしていく中で感じた違和感があります。

 

それは、高大接続!大学入試改革!三位一体の改革!主体的で対話的な深い学び!などの謳い文句で大学入試制度や授業等を改革していこうとしているにも関わらず、教員採用試験自体は相も変わらず知識を問うような問題ばかりが出題されているという点です。

 

もちろん、高大接続改革は国が進めていて、教員採用試験は各自治体が行なっているという違いはあります。

 

しかし、各自治体も国の方針を受けて方針を固めたり検討したりしているはずです。

 

確かに集団討論や模擬授業など、それっぽい内容の試験はありますがこれらもある程度「こう答えるのが良い」という定石のようなものがあり、採用試験の対策会などではこれを教えてもらって無難に試験に臨むというのが普通のようです。

 

このまま知識を問うような問題ばかりの採用試験を行なっていていいのでしょうか。これから教師にはどのような力が求められるのでしょうか。少し考えてみたいと思います。

 

 

 

これから書いていくのは来年度から教壇に立つ一大学生個人の意見です。

是非様々な方のご意見を聞いてみたいのでコメント等頂けますと幸いです。

 

まず、今後求められる人材や力についてまとめ、これからの教師について考えて、今後の教員採用試験について考えていこうと思います。

 

今後求められる人材・力

今後AIなどがますます発展し、自動化が進み単純労働の仕事はどんどん機械に奪われていきます。よく聞くのが「現在小学生の子どもの65%は今の時点で存在しない職業につくことになる」という言葉。タクシーの運転手や長距離トラックの運転手なんかは絶対になくなるなどとも言われていますね。

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では今後どのような人材が求められるのか。それは「クリエイティブな人」です。

柔軟な思考で物事を捉え、考え、課題解決のために新たな解決案を出せるそんな力が必要なのです。

 

言われたことをただこなすだけの人材が求められる時代は終わりました。

どのようにしたら現状を打破できるのか、よりよくすることができるのか。それを仲間と共に協働しながら見つけていくような力が求められる(ている)のです。

 

こういった力は一朝一夕で身に付くものではありません。長い時間をかけて身についていくものです。

 

ではどうやってそういう力が付くのか。よく言われているのが「正解のない問いを投げかける」というものです。

 

これまでのように一問一答のような知識を問うだけの問題ではなく、 「あなたはどう思うか・あなたならどうするか」というような問いです。

 

私の専門教科は情報なので、情報でこの「正解のない問い」を出すとしたらどのような問題が挙げられるか考えてみました。

 

例 : 昨年音楽や漫画などが違法でアップロードされているサイトの利用について話題になり、政府がサイトブロッキングを発表するなど大きな社会問題になりました。なぜ違法サイトを使ってはいけなのか答えなさい。また、あなたが作者や出版社などの立場だったらどうしますか。

 

例として上のような問題が考えられます。

情報モラル ・リテラシーの問題ですが、「なぜ違法サイトを使ってはいけないのか答えなさい」までであればある程度の正解となる答えが用意されています。

  1. 作者や出版社にお金が行かないので次作が作れなくなる、新しい作品が生まれてこなくなる
  2. ウイルスを仕込まれたり仮想通貨のマイニングに使われたりする

などです。

 

しかし、ツイッター等SNSを覗いてみると「違法だとわかっていても無料だから見る」「次作が生まれてこなくてもまた別のコンテンツに移るだけ」といった意見が多くあります。

 

また、以前Abema TVというインターネットテレビ番組で海賊版サイトについての特集があっており、番組のインタビューで顔出しで(漫◯村封鎖に対して)「え〜どうしようこれから」や「無料で見れたのは有り難かった」「違法と知っていても見ちゃうっていうのはあった」と答えていた大学生達もいました。


彼らも多少は高校までに情報モラル教育を受けてきているはずです。頭ではわかっているけどやってしまう。こういった現状をどうしたら変えることができるでしょうか。

 

そこで「あなたが作者や出版社などの立場だったらどうするか」という質問です。

これは正解のない問いです。

 

作者や出版社の立場で考えると、作ったものが売れなければ当然生活できなくなります。違法サイトを使うのではなくきちんと買ってもらうためにはどうしたらいいか、それを受けて自分はどう行動するか。

 

きっとこの問いに対して明確な自分の意見を持って、論理的に誰かに説明できるようになった時違法サイトを使うことはなくなるのではないでしょうか。少なくとも、テレビカメラの前で「私は違法サイトを使ってます」なんて公言することはなくなるはずです。

 

他にも『2020年からの教師問題』のなかで石川氏は「江戸時代の三大改革(享保の改革・寛政の改革・天保の改革)」の問題例として「江戸時代の三大改革と田沼意次の政治を比較し、あなたであればどのような経済政策をとりますか」という問題をあげています。

 

石川氏はこういった問題のポイントは3つあり

  1. 単純な知識の理解にとどまらず、その本質を理解していること
  2. 「自分の考え」を持つことの必要性
  3. 「自分の考え」を論拠をもって表現する必要性

であると述べています。

 

どのような教科であってもこのような問題を問うことは可能であり、こうした問題に触れ・自分の考えを持ち表現させていくことが必要です。

これからの教師

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高校教育はこれまでの「知識の習得」型の授業から「知識の活用」型への授業への変換を迫られています。

 

また石川氏の言葉を引用させていただきますが、 今後学校が伸ばすべき力は

  1. 課題解決に協働できる力
  2. 自分の考えを表現する力
  3. クリエイティブな思考力

この3つです。

 

そのために、教師はアクティブラーニングなど授業を工夫していかなくてはならないことはもちろん、

 

2020年からの大学入試では上であげたような「あなたはどう思うか・あなたならどうするか」という問題が多数出題されることから、教師自体も変わっていかなくてはなりません。

 

私も含め、今後必要となるような教育はほとんど受けてきていません。

基本的に、知識の詰め込み→テスト(覚えているか?)の繰り返しでした。

 

しかし、今後は知識をうまく活用して新たな価値を創造することができるような授業づくりをしていかなくてはなりません。

 

教師は生徒に「あなたはどう思うか・あなたならどうするか」という問いを出せるようより本質を理解することが必要であり、生徒とともに成長していくことが求められます。

 

正解のない問いを扱うこれからの教育では、「教師」「生徒」という垣根を超えた授業が必要になってくると思います。これまでのように「教える側」「教わる側」という関係はなくなり、教師は正解のない問いを解くための手助けとして知識を提供するような役割になるのではないかと考えています。

 

正解のない問いでは特に、教師が思いつかないような奇抜な意見が生徒から飛び出してくる可能性があります。

 

そういう「奇抜な意見」こそが今後社会で求められる意見なのではないでしょうか。

 

またまた石川氏の言葉を引用させていただきますが、石川氏は「2020年の理想の教師像は『プロデューサー』である」とし、マインドとして「生徒とともに高め合う関係性」が必要であるとしています。

 

教師-生徒の関係が上下の関係だと教師の発想を超える答えは表面化しづらい。

教師の投げかける「問い」で生徒が、学び、成長する。

生徒の投げかける「答え」で教師が、学び、成長する。

 

このような関係を目指さなくてはなりません。

 

これからの教員採用試験

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今回、教員採用試験を受けて思ったことは知識を問う問題ばっかりじゃん...ということ。

 

もちろん、教師として教壇に立つ以上人に教えられるだけの知識は必要です。そこを否定するつもりは毛頭ありません。

 

しかし、教職教養・専門試験・実技試験・模擬授業、そして集団討論に至るまで知識を問う問題であることに違和感を禁じ得ません。

 

教育改革をいくら推し進めたところで、教師が変わらなくてはどうにもなりません。

 

2020年の教育改革に早急に対応するためにも、「あなたならこの単元(状況)で、生徒に対してどのような(答えのない)問いを出しますか」という問題などを今後の採用試験で出していく必要があるのではないかと思います。

 

そして教師間でも、「答えのない問い」を出し合ったり、良い問いかけの共有などを積極的に行なっていく必要があると思います。

 

「変わり続ける」「学び続ける」ことは大変ですが、今後の教師には必須であると思います。

 

参考文献

  1. 石川一郎, 2020年からの教師問題, 2017
  2. 黒白ニュース, 【閉鎖】漫画村利用者の大学生「え〜どうしようこれから・・・」「困ります」, https://koku-byakunews.com/archives/16266